コラム

VMwareから仮想基盤の移行検討

はじめに

BroadcomによるVMware買収以降、多くの企業で仮想基盤の見直しが進んでいる。
従来、VMwareは「事実上の標準」として利用されてきたが、買収後はライセンス体系に以下のような変化が起きた。

・永続ライセンス廃止
・サブスクリプション化
・CPUソケット課金からコア課金への変更

特に、更新費用が数倍に増加したケースも珍しくなく、「VMwareを継続するべきか」 「他仮想基盤へ移行するべきか」を再検討する企業が急増している。
自社環境に最適な移行先を検討する必要があるが、本記事では、移行候補として以下3製品について比較する。

・Hyper-V
・OLVM
・Proxmox VE

VMware代替候補比較

各製品の特長を以下表にまとめる。

項目Hyper-VOLVMProxmox VE
基盤技術Microsoft Hyper-VKVM/oVirtKVM/LXC
主な方向性Windows統合Oracle/Linux最適化OSS/KVM活用
向いている環境Windows中心Oracle/Linux中心Linux/OSS中心
ライセンス費用中比較的安価非常に安価
Windows親和性◎△△
Linux親和性○◎◎
GUI運用性◎○○
バックアップ◎△△
サポート成熟度◎○△〜○
国内SI対応非常に多いやや少ない少ない

Hyper-Vの特長

Hyper-VはMicrosoft社提供の仮想基盤であり、Windows機能の一部として提供される。

メリット

Hyper-Vは、最も「企業運用を継続しやすい」移行先である。
特にWindows等のMicrosoft製品環境との相性が良い。
また、Windowsベースで運用できるため、VMware管理者も比較的移行しやすい。
多数のバックアップ製品が対応しており、バックアップ運用の変更なく移行しやすい。
有償サポートの成熟度も高く、対応ベンダーも豊富である。

デメリット

vSAN、DRS、NSX、自動最適化など、一部の機能はVMwareほど成熟していない。
これらの機能を利用している場合は、大きな変更が発生する。

Hyper-Vが向いている企業

Windows ServerなどMicrosoft製品中心の場合は、移行先としては向いている。

また、ナレッジも豊富であり、運用保守の安定継続を望む企業向きである。

OLVMの特徴

OLVM(Oracle Linux Virtualization Manager)は、KVM/oVirtベースの仮想化基盤である。
実態としては「Oracle版KVM管理基盤」に近い。

メリット

OLVM最大の強みは、Oracle/Linuxとの親和性である。
特に以下との相性が良く、Oracle Databaseを使用する場合はライセンス費用軽減効果が高い。

・Oracle Database
・Oracle Linux
・RAC
・Linux系ワークロード

また、KVMベースであるため、OpenStackやOpenShiftなどOSS寄り戦略との整合性も高い。

デメリット

Linuxベースの仮想基盤であるため、Hyper-VほどWindowsに最適化されていない。
また、サポートや技術者数もHyper-Vに比較すると成熟していない。
Linuxベースの運用となるため、LinuxやOSS関連の知識が必要となる。

OLVMが向いている企業

Linux中心であり、Oracle Databaseを多く使用する環境では費用対効果も高く移行先として向いている。
また、運用にも一定の知識・技術が必要となるため、内製運用力がある企業向きである。

Proxmox VEの特徴

Proxmox VEは、Broadcom買収後に最も注目度が上がったVMware代替の一つである。
KVM/LXCベースの仮想基盤である。

メリット

最大の強みはコストである。
ソフトウェア自体は無償であり、全機能を利用可能である。
Subscriptionは任意であり、VMwareのような高額ライセンス体系がない。
また、SRE/DevOps文化との相性が非常に良い。

デメリット

3製品の中では、最も運用に知識・技術が必要となる。
他製品に比べるサポート体制が弱く、障害発生時の対応は問題になりやすい。
また、超大規模エンタープライズではVMwareとの差を感じる場面もある。

Proxmox VEが向いている企業

コスト削減を重視しており、Linux、OSS中心の環境向きである。
ただし、運用にはある程度の知識、技術が必要とされるため、内製の運用体制がある環境向きでもある。

まとめ

Broadcom買収後、VMwareは「高機能だが高額」な基盤へ変化した。
その結果、多くの企業が以下を再検討している。
・ライセンス費
・ベンダーロックイン
・将来戦略
・OSS/KVM活用
・クラウドネイティブ対応

ただし、単純に「安いから移行する」は危険である。
重要なのは、
・運用体制
・サポート
・障害対応
・スキル
・DR
・Backup
までを含めて判断することだ。

最後に各製品の特長を一言で整理すると
・Hyper-V:最も無難で移行しやすい
・OLVM:Oracle/Linux最適化
・Proxmox VE:最もコスト削減効果が大きい
ということができる。

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